伝統の技
伝統の技
世界に誇る日本の建築文化の精髄
古来より木と共に生きてきた私たち日本人。
寺島工務店の建築は、日本が世界に誇る伝統技術・在来工法を頑なに守っています。社寺建築で培った大工の卓越した技と経験が、日本の気候風土に合う住みよい木造住宅をはじめ、人々が集う場所としての大型木造建築までを作り出しています。
原寸
実際に作る建築物の実寸大の図面を描く技術。社寺建築に使われる、曲線や反りなどの複雑な形状のものを製作する際に必要な工程で、図面の形状を実寸大に落とし込み、材木が綺麗に組み立てられるように、納まりよく加工するための下書きを作ります。
原寸型取り
作成した原寸(屋根の反りなど)を材木に書き写すため、杉で作ったガイドを使い、原寸と同じ曲線でベニヤ板を切り抜き、型板を作ります。
木を読む
一つとして同じものの無い木のクセ。製材してしまうと一様に見える材木も、経年と共にそのクセは現れてきます。寺島の熟練大工は木目や節の出方を見て、木のクセを見抜き、適材適所に活用することで、木の持ち味を活かした木造建築を実現しています。
墨付け
材木をどのような向きでどの場所に使うかを決め、伝統的な技である継手や仕口を刻むための墨のラインを引く作業です。
刻み
墨付け通りに加工するために、ノコギリやノミ、カンナなどの大工道具を用いて材木を刻みます。
機械加工では出来ない特殊な加工でも、熟練された技術により精度の高い接合を実現しています。
鉋掛け
鉋を用いて材木の表面を削る、仕上げの工程。
鉋の刃の出具合を微調整し、滑らかな表面を削り出す事で、水分をはじいて材木が長持ちします。
材木の木目を読んで、逆目を立てずに仕上げる必要があります。
魂の道具
魂の道具
木に魂を吹き込む
寺島の大工は、道具の扱いにも強いこだわりがあります。ノミやカンナなどは大工が個人で所有するのものが殆ど。中には名工が手掛けた貴重な業物や、先輩大工から引き継がれた年代ものも。洗心丁寧に手入れされた道具を通じて、大工の誇りとプライド、住まう人への想いが、その一振り一振りに込められています。
墨壺（すみつぼ）
墨付けをするための道具。
墨差し(竹の筆)に墨を付けたり、墨汁を含ませた糸を引っ張ってはじく事で、綺麗な直線を引くことが出来ます。
墨差し（すみさし）
大工が自分で削り出して作る竹製の道具で、木材に墨付けするための筆の役割を果たします。
耐久性が高く、材木の木目に左右されずに墨付けできます。
指矩（さしがね）
規矩術（きくじゅつ）を用いて、正確に部材の形状や角度を割り出し、墨付けする際に使用するL字型の定規です。
メートル法の指矩の他、日本古来の計測単位である尺貫法で計測できるものもあります。
鋸（のこ）
薄い鋼板にたくさんの刃がつけられた、木材を切断する際に使用する道具。
ホゾを作る際の、外周部の切断にも用いられます。
材木を繊維と同じ方向に切断する縦挽き鋸と、繊維と直角方向に切断する横挽き鋸に大別されます。
鑿（のみ）
木の持ち手に鉄製の刃物が取り付けられた手道具。
手で突いたり、玄能で叩く事で木材を削り出し、継手や仕口といった材木のホゾ穴を加工する際に使用する。大工を象徴する道具のひとつです。
鉋（かんな）
平鉋、反り鉋などの形状や大きさも様々なものがあります。
化粧材の表面を整えたり、ノミで仕上げた継手や仕口を綺麗に整えたり、反り鉋を用いて曲線を作ったり、様々な工程で使用されます。
槍鉋（やりがんな）
少し反りを持たせた槍の穂先のような形状の鉋。
飛鳥時代から使われてきた伝統的な鉋で、長い柄を両手に握って、手前に引いたり、押して削ったりします。
雲形（くもがた）
原寸図に曲線を描くために使用する、雲のような形をした製図道具。
楕円や放物線、双曲線といった様々な曲線を描く事が出来ます。
板図（いたず）
大工棟梁が板に墨で描く設計図。番付けを記載し、構造材の組み方を図面化しており、この板図を元にして墨付けを行います。
伝統工法
伝統工法
日本建築の強かさと心
日本古来の伝統工法は、現代工法における数値に表れない強度や耐震性があります。それは数百年も建ち続ける寺社仏閣によって証明がされています。
また、寺島工務店の家造りでは、工法だけではなく家を建てること、そこに住まうことへの想いを大切に、上棟式や木遣り唄などの伝統儀式も重んじています。
棟上げ
新築住宅の建築において、柱や梁などの基本構造部を組み上げ、屋根の最上部に棟木（むなぎ）を上げること。
その後、工事の無事を祈願して上棟式を執り行います。
木遣り
上棟式や式典の際に、大工が唄う木遣り唄。
元々は善光寺造営時に、裾花川や犀川から筏で流して集めた材木を、牛や職人衆によって善光寺まで運んだ時に唄われたもの。
現在では長野市指定無形文化財に登録されてます。
継手
継手を行う事で、長い距離の横架材を作る事ができます。「蟻継ぎ」「鎌継ぎ」「金輪継ぎ」などの様々な継ぎ方があり、材木の特性に合わせて棟梁が継ぎ方を見極めていきます。伝統的な継ぎ手は、近年主流の金物の結露による腐食の心配もありません。
仕口
2つ以上の材木を、直角などの角度をつけて接合する技術。
土台と柱、柱と梁や桁など、横架材と柱を繋げたり、火打ち梁や根太、大引といった構造材を横架材に繋げる際に使用します。
社寺建築
信州の名工、寺島会長から引き継がれた社寺建築の伝統の技術は若い世代へと継承され、その卓越した技術は住宅施工から店舗建築まで幅広く活かされています。
斗組
社寺建築で柱上に設置され、上からの荷重を支える構造部材。
斗（ます）と肘木（ひじき）という部材で構成されており、複雑な形状をしていることから、軒裏に至る空間を装飾する意匠性も持ち合わせています。
私たちの家づくり
