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長野の木を、長野の家に。

2026.09.14

瑞穂木材さんを訪ねて改めて感じた「木を使う責任」

先日、木島平村にある瑞穂木材株式会社さんを訪問し、木材について学ばせていただきました。

今回お話を聞かせていただいたのは、瑞穂木材株式会社の宮崎淳貴社長。

約1時間にわたり、木材のこと、長野県の森林のこと、林業や製材業が抱えている課題、そしてこれから私たちが考えていかなければならない森林資源の循環について、さまざまなお話を聞かせていただきました。

私自身、これまでも木造住宅に携わってきました。

しかし今回のお話を聞いて、

「木を使って家を建てるとは、どういうことなのか」

を、改めて考えさせられました。

木は、今日植えて明日使えるものではない

木材について考えるうえで、私たちが忘れてはいけないことがあります。

それは、木には非常に長い時間が必要だということです。

苗木を植えても、すぐに住宅の柱や梁として使えるわけではありません。

30年、50年という長い年月をかけて育て、ようやく木材として利用できるようになります。

つまり、今、私たちが使っている木は、私たちが植えた木ではありません。

前の世代の人たちが植え、育て、残してくれた木を、今の私たちが使わせてもらっている。

そして、私たちが今植える木を使うのは、私たちではなく次の世代かもしれません。

そう考えると、森林を循環させるということは、単純に「木を植えればいい」という話ではないことが分かります。

自分たちだけでは完結しない。

何十年も先の未来を考えながら、次の世代へバトンを渡していかなければならないのです。

森林国・日本なのに、なぜ外国の木を使ってきたのか

日本は国土の多くを森林が占める森林国です。

私たちが暮らす長野県も、周囲を見渡せばたくさんの山と森があります。

それなのに、これまで日本では多くの外国産木材を輸入してきました。

その結果、国内の森林に十分に手が入らず、伐採されるべき時期を過ぎた木がそのまま残ってしまっている場所もあるそうです。

木は大きく育てば育つほど良い。

私はどこかでそんなイメージを持っていました。

しかし、住宅に使う木材という視点で見ると、必ずしもそうではありません。

木が大きくなり過ぎることで、一般的な住宅の柱などに加工しにくくなってしまう場合もあります。

だからこそ今、

育ち過ぎた木を伐り、できるだけ無駄なく使い、そして次の苗木を植える。

この循環をもう一度つくっていく必要があります。

「伐ること」も、森を守ること

「森を守る」と聞くと、

「木を伐らないこと」

をイメージする方も多いのではないでしょうか。

しかし、人の手によって育てられてきた森林では、適切に木を伐り、使い、また植えて育てていくことが重要です。

伐る。

使う。

植える。

育てる。

そして、また次の世代が使う。

この長い循環があって、初めて森林資源を未来へつないでいくことができます。

だから私たち住宅会社にも役割があります。

木を使わなければ、森林の循環は始まらないからです。

大きく育った木も、できるだけ無駄にしない

今回、瑞穂木材さんを訪問して印象に残ったのが、木をできるだけ無駄にせず活用しようとする姿勢でした。

住宅の柱や梁に向いている木だけを使えばいいわけではありません。

一本の木には、さまざまな部分があります。

太さも違えば、節もある。

曲がりもあれば、それぞれに個性があります。

それを一律に「使える・使えない」と判断するのではなく、それぞれの木の特徴に合わせて使い道を考えていく。

写真に写っている木の小物や作品を見ても、木という素材にはまだまだ多くの可能性があることを感じます。

せっかく何十年もかけて育った木だからこそ、余すことなく大切に使う。

これも、木を扱う私たちが忘れてはいけないことだと思います。

木を使うには「職人」も必要です

そしてもう一つ、宮崎社長のお話で強く感じたのが、職人を育てることの難しさです。

森林があっても、それだけでは家にはなりません。

木を伐る人。

運ぶ人。

製材する人。

乾燥させ、品質を見極める人。

加工する人。

そして最後に、その木を家として組み上げる大工。

多くの人の技術によって、一本の木が一本の柱になり、やがて一棟の家になります。

前回のブログでも若い大工の育成について書きましたが、今回瑞穂木材さんを訪問して、

「木を育てること」と「人を育てること」は、とても似ている

と感じました。

どちらも、今日始めたからといって、明日結果が出るものではありません。

時間をかけて育て、次の世代へつないでいく。

私たち寺島工務店が若い大工を育てていることも、森林を育てていくことも、実は同じ未来につながっているのかもしれません。

長野県の木が、県外で使われているという現実

今回、特に考えさせられたことがあります。

それは、

長野県で育った木材が、県外でも使われている

というお話です。

もちろん、長野県の優れた木材が全国で使われること自体は素晴らしいことです。

しかし一方で、

「長野県にこれだけ豊かな森林資源があるのなら、もっと長野県の家づくりに使えないだろうか」

とも思いました。

長野の山で育った木を、

長野で製材し、

長野の大工が加工し、

長野で暮らす家族の家に使う。

そして、木を使った分だけ森に手が入り、次の世代のための森を育てていく。

そんな循環を地域の中につくることができれば、家を一棟建てる意味も大きく変わってくると思います。

「長野県産材を使う」は目的ではない

私は今回の訪問を通じて、県産材について改めて考えました。

ただ、

「長野県産材を使っています」

と言いたいわけではありません。

県産材を使うこと自体が目的になってしまってはいけないと思っています。

なぜ地元の木を使うのか。

その先に何があるのか。

森に手を入れる。

木を使う。

地域の製材所に仕事が生まれる。

大工が木を加工する。

家が建つ。

そして次の木を植える。

そこまでつながって初めて、本当の意味での「地産地消」になるのではないでしょうか。

寺島工務店が家を建てることにも意味がある

今回、瑞穂木材さんから帰る途中、山を見ながら改めて思いました。

寺島工務店でもっと家を建てたい。

もちろん、会社を成長させたいという意味もあります。

でも、それだけではありません。

私たちが長野県産材を使った家を一棟建てる。

そして二棟、三棟、十棟と増やしていく。

それによって地域の木材が使われ、製材する人の仕事が生まれ、大工の仕事が生まれ、森林にも少しずつ手が入っていく。

そう考えると、

家づくりは、森づくりでもある。

のだと思います。

住宅会社だからこそできる森林への関わり方があります。

100年先の長野の森と家を考える

寺島工務店はこれから、長野県産材をもっと積極的に家づくりに取り入れていきたいと考えています。

ただ家を建てるのではなく、

「この木はどこで育ったのか」
「誰が製材したのか」
「誰が家にしたのか」

そんなことまでお客様にお伝えできる家づくりを目指したい。

そして何十年後、私たちが今植えた木を、次の世代の大工たちが使って家を建てている。

そんな未来をつくれたらと思います。

木を育てること。

人を育てること。

家をつくること。

森を守ること。

すべては別々の話ではなく、つながっています。

長野の木を、長野の家に。

今回、瑞穂木材株式会社の宮崎社長からお話を伺い、そのことを寺島工務店の使命の一つとして、改めて強く感じる一日となりました。

宮崎社長、貴重なお話をありがとうございました。

寺島工務店について
・所在地:長野県長野市
・対応エリア:長野市・須坂市・千曲市・中野市・軽井沢ほか
・特徴:WB工法・自然素材・社寺建築・高性能住宅
・URL:http://trsm-bco.jp/
・WB HOUSE公式サイト:https://www.wb-house.jp/